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「嫌われる勇気」の第一章はとても勉強になったな。

とても多くの気づきを与えてくれる本であることは間違いないね!
前回、第一章について触れましたが今回は第二章についてみていきたいと思います。
すべての悩みは対人関係
第二章の大きなテーマは対人関係についてです。
そしてこの中で「すべての悩みは対人関係」だと言い切っています。
あまりの歯切れの良さに読者としてはホッとする部分と「本当かよ」と若干身構えてしまう部分と混在しますが、それについて青年と哲人のやりとりを見ていきたいと思います。
物語は一週間後にあらためて青年が哲人の書斎を尋ねるところから再開します。
ネガティブな自分を肯定している
冒頭で青年は哲人に対して
「自分のことが嫌いだ」
「好きになる理由が思いつかない」
「ただし、自分も自分のことが好きになりたい」
と打ち明けます。
100%自分のことを嫌いだと言い切れるかどうかは別にして、読者としてこの気持ちはとても共感出来るところですよね。
大なり小なり多くの人がこういう感情を抱いているのではないでしょうか。
ただし、第一章をすでにお読みの方はお気づきの通り、ここでも哲人は目的論を持ち出してこう言います。
「自分を好きにならないでおこう」と、決心している
さすがにこれを言われてしまうと悩んでいる当人としては頭にきますね。
これに対して哲人はある事例を引き合いに出して解説します。
ある日、赤面症の悩みを抱える女学生が哲人の元に訪れます。そしてこう言います。
「赤面症が治った暁には、想いを寄せる彼に告白してお付き合いをしたい」
これに対しても哲人は「赤面という症状を必要としているから治らないのだ」と言い放ちます。
それはどういうことかというと、今の女学生にとって、いちばん恐ろしいこと、いちばん避けたいことは何かを考えてみればわかると言うのです。
すると、それは間違いなく彼に振られてしまうということに行き着きます。
なるほど、確かにそうですね。
だとしたら、赤面症を持っている限りにおいては「わたしが彼とお付き合い出来ないのでは、赤面症があるからだ」と考えることができるというわけです。
そうすることで、告白の勇気を振り絞らずに済むし、何より
「もしも赤面症が治ったら私だって・・・」
と可能性の中に生きることが出来るというのです。
いやはやそう来ました、と言いながら読者としてはやや呆気に取られそうです。
ただし、一方で心の奥底を突かれた気にもなります。
そう考えるとこのような見方に対して「確かに」とうなずかざるを得ません。
そしてこの「可能性の中に生きることが出来る」というフレーズがとても重要な意味を持ってきます。
可能性の中に生きる
世の中の多くの人は可能性の中に生きています。
もちろん私もその中のひとりであることは間違いありません。
こうすることで受験生であれば「合格すれば人生バラ色になる」と言えますし、会社員であれば「転職すればすべてうまくいく」と言えるわけです。
ただし、これではいつまで経っても事態の改善は望めません。ではどうするのか。
このような状況から脱却するためにやるべきことは何か、哲人はこう述べています。
まずは「いまの自分」を受け入れてもらい、たとえ結果がどうであったとしても前に踏み出す勇気を持ってもらうことである、と。
そしてこうしたアプローチのことを「勇気づけ」と呼んでいるそうです。
つまり、自分が何をしたいのか、どうなりたいのか、その声に素直に耳を傾け、出来ない理由、そうならない理由を考えるのではなく、そうするために何をしなければいけないのかを考え、実行しろということです。
非常にシンプリな考え方であり、人間の本質に迫る考え方のように感じます。
少し話がそれますが、この話を聞いた時、エジソンの言葉が思い浮かびました。
それは「私は多くの失敗をしたのではない。素材に適さない材用をたくさん見つけただけだ」というものです。
この考え方の根底にも目的を達成するために何をしなければいけないのかというシンプルな発想があるように思います。
なぜ自分が嫌いなのか
これらを引き合いに出しながら青年がなぜ自分が嫌いなのかを哲人がこう解説してくれます。
それは、青年が他者から嫌われ、対人関係の中で傷つくことを過剰に恐れているからだ、と。
そして、いまの青年の「目的」は「他者との関係のなかで傷つかないこと」だと喝破します。
この目的を達成するために、自分の短所を見つけ、自分のことを嫌いになり、対人関係に踏み出さない人間になってしまえばいいと考えているというのです。
これを言われた青年は当然怒りに震え、哲人をサディスト呼ばわりし、食ってかかります。
こうして第二章のテーマである「すべての悩みは対人関係」の核心に向けて話は進んでいきます。
つづく
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