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アドラー心理学の目的論が大分理解出来るようになって来ました。

最初は意表を突かれた発想に感じたが、具体的な事例を聞くと「確かに!」とうなづけるところがありますね!
ここからは第二章の後半についてお話ししていきます。
もし仮に宇宙のなかにただひとりで存在していたら
ここで哲人はある興味深い話を持ち出します。
それは
もし仮に宇宙のなかにただひとりで存在していれば「個人」という概念も「孤独」という概念も出てこない
というのです。
全く考えたことのなかった発想ですが、これも言われてみればそうかもしれないとうなずけます。
ここから哲人は
われわれは孤独を感じるのにも、他者を必要とする
と解釈します。
そしてついには
宇宙のなかにただひとりで生きていれば悩みはなくなる
つまり人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである
と結論づけます。
この言葉を聞いた時に、正直どこかに議論の隙がないか探している自分と、まったく見つからずに哲人の言葉を認めざるを得ないと感じている自分がいることに気づきます。
劣等感は、主観的な思い込み
次に哲人は劣等感について解説します。
まず劣等感という言葉を最初に使ったのはアドラーであり、「価値がより少ない感覚」、つまり自らへの価値判断に関わる言葉として使われました。
そしてこの劣等感は主観的な思い込みであるということを自身の経験談を例にして話します。
哲人の身長は155cmであり、平均的な男性より低いことがわかります。
これについて哲人は若かりし頃、「あと数センチ背が高ければ」と思い悩んでいたと打ち明けます。
そんな哲人に対して友人がこんな言葉を放ちます。
「大きくなってどうする?お前には人をくつろがせる才能があるんだ」
と。
この瞬間、哲人は自分の身長が「劣等性」ではなかったということを悟ります。
このように問題は、身長について自分がどのような意味づけをするのか、どのような価値を与えるのかによって大きく変わってきます。
そしてわれわれを苦しめている劣等感は「客観的な事実」ではなく、「主観的な解釈」であり、この主観は自分の手で選択可能だという利点があるのだと言います。
だとすれば口数が少なく人と交わるのが苦手な人も、単に「根暗な人」というのではなく、「相手の気持ちを思い、言葉の選択に最大限気を使っている人」ということになります。
これを聞いてなんだかすごく救われた気持ちになりませんか?
そして自分の中で「そうそう!そうなんだよ」と言っている声が聞こえます。
劣等感は優越性の追求から生まれる
また劣等感が生まれるプロセスを哲人はこう解説します。
人は無力な存在としてこの世に生を受け、その無力な状態から脱したいと願う気持ちが「優越性の追求」だというわけです。
そしてこれと対をなすのが劣等感であり、優越性の追求を行う中で、理想の自分に到達できない自分に対して「まるで」劣っているかのような感覚を抱くというのです。
ただし、優越性の追求も劣等感も正常な努力と成長への刺激であり、使い方さえ間違えなければ成長の促進剤になると語っています。
一方で「どうせ自分なんて」「どうせ頑張ったところで」など、あきらめてしまう人がいると言います。
実はこれは劣等感ではなく、劣等コンプレックスとして定義され、明確に分けて考えるべきだと解説します。
劣等感は悪いものではないが、劣等コンプレックスは完全なる悪
上記の通り劣等感は正常な努力と成長への刺激であり、使い方さえ間違えなければ成長の促進剤になるものです。
一方で、劣等コンプレックスとは自らの劣等感をある種の言い訳に使い始めた状態だと言います。
具体的には、
「私は学歴が低い。だからこそ、他人の何倍も努力しよう」
と決心するものが劣等感であるのに対して
「私は学歴が低い。だから成功できない」
と考えるのが劣等コンプレックスだと哲人は解説します。
どちらにも因果関係があるように見えますが、アドラーは劣等コンプレックスによる因果関係を「見せかけの因果律」と表現し、劣等感と劣等コンプレックスを明確に区別します。
そして、この「見せかけの因果律」で人生を説明しようとすると非常に閉塞感のあるものになってしまい、結局のところこれもライフスタイルを変える”勇気”を持ち合わせていないということに帰結するというのです。
この本を読み始めた当初、目的論に終始するアドラー心理学に戸惑いを覚えましたが、このあたりから徐々に一つ一つの話が繋がり始め、自分の中にも変化が起きていることに気づきます。
つづく
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