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先日、みうらじゅんさんが書かれた『「ない仕事」の作り方』を読みました!

なんとも興味をひくタイトルだね!
まだまだコロナ禍ということもあり、在宅の時間が多いと思います。そんな在宅時間を有効に使って、たまには読書でも如何ですか?
ということで、今回はみうらじゅんさんが書かれた『「ない仕事」の作り方』のご紹介です。
みうらじゅんさんとは
1958年、京都府に生まれる。
少年時代はどこにでもいる怪獣好きであった一方、どこにもいない仏像好きでもあった。
地元の東山高等学校から武蔵野美術大学へ進学。
大学卒業後は、その多彩な才能により、エッセイスト、小説家、ミュージシャン、評論家、ラジオDJ、編集長、ライター、解説者などとして多方面で活躍。
あまりの多才ぶりに公表している肩書は「イラストレーターなど」。
あらすじ
「マイブーム」「ゆるキャラ」など新語を生み出し、それまで世の中になかった仕事を企画から営業まで全てをこなす「一人電通」という手法で作り続けて来たみうらさん。
その手法の隅々を着想から実際に世の中に広めるまでを詳細に解き明かした解説本。
そして本書は2021年本屋大賞の発掘部門「超発掘本!」を受賞。
なお、本屋大賞の推薦者である丸善博多店(福岡県)の書店員脊戸真由美さんの推薦コメントとみうらさんのお礼のことばが本書への愛情に満ちている一方、とてもおかしいので掲載しておきます。
●推薦コメント
ナイ、ナイ、ナイ、恋じゃない♪ナイ、ナイ、ナイ、仕事がない!
ちょうど一年前のこと。博多駅ビルに入っているうちの書店は、緊急事態宣言を受けて休業することが決まりました。「明日からよろしく」職場から電話がかかってきて、あっさりと何もない1ヶ月半がスタート。最初は「あっ、明日食べようと思ってロッカーに入れといたお菓子が腐る…」くらいの感想しかありませんでした。とはいえ、自宅謹慎では発散しきれないありあまる体力を消耗してやり過ごすべく、アテもない散歩という名の徘徊を、密を避けながら続けました。すると、とめどない不安にかられ、眠れなくなるハメに。立地により開いてる書店は通常営業、しかもかなり客数も増えてるようだ、ということに気づいたのです。一方、こちらは週に一度出勤して、お客さんのいない店で誰も買えない新刊を出す。一冊も売れてないのに次の新刊が届く。涙がでてきました。「まずい、まずいやろ、まずくない?ウチの店大丈夫?どうすればいい?不安。ふあんタスティック!」
頭に浮かんだのは「仕事がナイなら、作ればいいジャナイ」。いまこそこの本を読み直すとき。ゆるキャラ、マイブームなど数々の流行語を生み出してきたMJ(みうらじゅん)流のかなりどうかしている仕事の作り方です。
いままで誰も気に留めてなかったモノ・コトに注目し、これと決めたら、それが好きでたまらないのである、と自分を洗脳し、周囲が無視できないほどの異様な熱で、この人どうかしてる、と思わせるプレゼンをすることで、数々の仕事を作ってきたMJ。
巻末の糸井重里さんとのスペシャル対談で、糸井さんは、「みうらが拾わなくなったら、ただの風景に戻る。拾うからなにかになるんだ」と言います。わたしの周囲にも、きっと見落としてるものがあるのでしょう。下を向いて歩こうと思いました。
ププッと笑っているうちに、なんとかなるんじゃないかという気になってくる。のけぞるほど熱くどうかしているこの本を読めば、ショボい日だったとしても「でも、そこがいいんじゃない!」と面白がれる。明日もきっとどうにかなる。そう思えてくるのです。
●お礼のことば
今回は発掘していただき、ありがとうございます。しかも“超発掘”だということで、大変、御苦労をおかけしました。
それにあやかって、今後、みうらじゅん改め、ミイラジュンにしてもいいなと思っています。
1980年に一応、漫画家としてデビューしましたが、以降、世間的には何をしているのかよくわからない変人でやってきました。
たしか『「ない仕事」の作り方』は、そんな僕がデビュー35周年を迎えて、もう一度、自分が何をしてきたのかを再確認するために企画した本だったと思います。
はじめから“ない仕事”を目指した覚えはありませんし、出来れば“ある仕事”に就きたかった。しかし僕には、何かに夢中になると、つい“ない”ものを“ある”ように言ってしまう妄想癖がありました。それは、クラスメイトに「仏像ブームが来る!」と言い張って止まなかった小学生の頃から一向に治りません。
気が付くと、“ある仕事”から“ない仕事”にシフトしていました。問題はそれをどう“ある仕事”に見せるかです。そのためには、“僕が”という主語を“それが”に変え、より多くの理解を得られることが肝心です。
“ない仕事”とは、そうやって生まれてきたものでした。
賞に選んでくださった方々に改めて感謝の意を述べさせていただき、ミイラジュンの話は終わりといたします。ありがとうございました。
感想
私なりに本書を手に取って欲しいと思う人は以下のような人たちです。
- クリエイターの卵
- 企業などでマーケティングに携わっている人
- 就職を控えている学生
本書のタイトルを見ればどれもうなずけると思います。
世に「仕掛け人」という言葉があります。
仕掛けると言っても100%の計算尽くではダメで、そこには計算と誤算がうまい具合で混じることが条件であるように思います。
その計算と誤算がうまくミックスして出来た人がみうらじゅんさんなのではないでしょうか。
本書の中で、たくさんの気づきがあったわけですが、ひとつ面白い記述を見つけました。
それは重い言葉をポップにするというくだりで出て来ました。
例えば、「親孝行」という言葉です。
確かに親孝行という言葉は重い言葉です。
親孝行という言葉の範疇に入る行動を取ろうとすると返って照れ臭くなり、なかなか行動に移せません。
それをみうらさんは「親孝行プレイ」と呼ぼうと呼びかけています。そうすることでグッとハードルが下がるというのです。
なるほど。確かに親孝行本来の息苦しさのようなものは吹き飛びますね。
非常にユニークな発想ですが、核心を突いています。
このようなゆるいけど核心をついた話がたくさん盛り込まれた本が本書です。
正直、私にとっても超発掘した感じの本となりました。
まとめ
遊び心満載の本でした。
おそらくみうらさん自身が遊び心のかたまりなのだと思います。
ただ、すべてに共通していることは、
「好きなことをとことん突き詰め、やり抜いていること」
「疑問に思ったこと、不思議に感じたことに素直であること」
が背景にあると思います。
実際にみうらさんが少年の頃、夢中になって作ったスケッチブックは「好き」で埋め尽くされています。
そしてそのようなスケッチブックを見るとなぜか我々も楽しくなります。
要は人は、人の「好き」が好きなんだと思います。そしてそこに共感が生まれ、ブームとなるのでしょう。
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