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先日、村田沙耶香さんが書かれた「コンビニ人間」を読みました!

おお!それは芥川賞を受賞した作品だね!
まだまだコロナ禍ということもあり、在宅の時間が多いと思います。そんな在宅時間を有効に使って、たまには読書でも如何ですか?
ということで、今回は村田沙耶香さんが書かれた「コンビニ人間」のご紹介です。
村田沙耶香さんとは
1979年、千葉県印西市出身。
10歳の頃から執筆を開始する。
すると当時から執筆しているときだけ自分自身を表現し、解放することができると感じていたそう。
また、小学生の時にジュール・ルナールの「にんじん」を読み、「最後まで絶望的であることにすごく救われ」、中学時代は同級生から「死ね」と言われ実際に死のうと思ったものの、小説を書いていて生への執着につながったと語る。
家庭は保守的で、村田は「女の子」としてピアノを習い、清楚なワンピースを着て、伝統ある女子大学に進み、しかるべき男性に「見初められて」結婚して欲しいというのが、母親の願いだった。
玉川大学文学部在籍中に小説と向き合うためコンビニでのアルバイトを開始。
その後も長らくバイト生活を続ける。
また、2016年に「コンビニ人間」で芥川賞を受賞後もしばらくアルバイトは続けていた。
朝井リョウ、加藤千恵、西加奈子ら作家仲間からは「クレイジー沙耶香」と呼ばれている。
あらすじ
「おはようございます!」「いらっしゃいませー!」
その声の主は古倉恵子、36歳。コンビニでのアルバイト歴が18年にのぼる大ベテランだ。
彼女の生活はコンビニに始まり、コンビニで終わる。
いやそれでは終わらない。
アパートに帰った後もコンビニのために体調管理を行い、身なりにも注意を払う。
耳に残るコンビニの「音」を子守唄にして寝付き、夢でもレジを打つ。
まさに彼女の生活の基準はコンビニにあった。
そんなある日、婚活を目的とした中年男性・白羽がバイト仲間に加わることに。
しかし、白羽は一向にやる気を見せず、勤務態度は怠慢で愚痴ばかりこぼし、早々にクビになってしまう。
そんな白羽と恵子はある日お茶をすることに。
そこに待っていた意外な展開とは。
第155回芥川賞受賞作品。
感想
週末の時間を使って一気に読み終えました。
本作はコンビニエンスストアを起点にそこで働く店員と日々来店するお客様との日常が描かれています。
ただ、コンビニエンスストアというといくつかの有名なブランドがあるものの、その営業戦略はどこも似たり寄ったりであり、我々の中で差別化が出来ていないというのが実情です。
ですから、例えばさっき入ったコンビニがセブンイレブンだったかファミリーマートだったかなんて覚えていないことがあるのも事実です。
また、お客である我々が店員の顔を覚えるなんてこともまずありません。
こう言ってはなんですが、コンビニも店員もその程度の存在でしかないとも言えます。
しかし、この本の中で生きる恵子は真剣そのものです。
どうしたらお客さんに喜んでもらえるか、どうしたら商品が売れるか、商品が途切れていないか、お店は清潔に保たれているか、そんなことばかりを考えています。
本の中にもあるとおり、コンビニのアルバイトでは社会人としては底辺の存在かもしれませんが、彼女の仕事に対するその精神はプロ中のプロと言えます。
まさに途中からは頭が下がる思いで読んでいました。
ですから私はそのまっすぐな彼女のことが好きになり、とても応援したくなりました。
「仕事がつまらない」
そんな風に感じている人がいたら是非読んで欲しい一冊です。
まとめ
本書はおそらく著者の実体験をもとに書かれていると思います。
ですから細部にわたり説得力のある話で構成されています。
そんな本の中で私が一番印象に残ったフレーズは次の一節です。
「私はどこかで、変化を求めていた。それが悪い変化でもいい変化でも、膠着状態の今よりましなのではないかと思えた」
これこそ18年間をコンビニに捧げてきた人の魂の叫びだと感じました。
当たり前を当たり前と思わず、目の前のことにひたむきに取り組むその姿勢は我々に何かを投げかけてくれているように思います。
本書はわずか160ページですし、多くの人に読んで欲しいなと思って本の帯を見ると「累計130万部突破。36カ国で翻訳決定」とありました。
正直、翻訳の数にすごく驚き、意外な気もしたが、こういうまっすぐな人間の生き様は海外の方が素直に受け入れられるような気もしました。
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