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2019年に日本で行われたラグビーワールドカップでボランティアをしたんですよ!

おお!あれは盛り上がったよね!
日本中が盛り上がったラグビーワールドカップ2019日本大会。
今回は44日間にわたる宴を陰で支えたボランティアの奮闘記です。
ラグビーワールドカップが日本にやってくる
2019年に日本で行われたラグビーワールドカップ。
ご存知ない方も多いかもしれませんが、これはオリンピック、サッカーのワールドカップと並んで世界の三大スポーツの祭典に数えられています。
そして実はアジアで開催されるのはこれが初めてでした。
日本でもかつてラグビーブームがありましたが、それでも最近はどちらかといえば低迷期と言えるでしょう。
それもあって一部には「盛り上がりに欠けるのではないか」といった心配の声もありましたが、その後「史上最高の大会」(関係者)と言われるまでになりました。
今回、この大会にボランティアとして参加しましたのでその舞台裏を記します。
一通のメールがきっかけ
この大会では日本代表の活躍もあり、スタジアムやパブリックビューイング、テレビの前で熱狂し、泣き笑いした人も多かったことでしょう。
ただ、そこに至るには大会関係者をはじめとした多くの人の努力があったことを忘れてはいけません。
私はボランティアの一人としてその模様を近くで見て、また微力ながら支えてきました。
そもそものきっかけは2018年にさかのぼります。
ある日、私の元に一通のメールが届きました。
「ボランティアやりませんか?」と。
最初は「なんだ?」程度の感想で、そのままやり過ごそうかと思ったのですが、ふと「やってみようかな」という思いが頭をもたげました。
インスピレーションと言ったら聞こえがいいですが、むしろ「飲み屋での自慢話になる」程度の気持ちだったかもしれません。笑
最初は「試合当日に行って道案内でもすればいいのかな」と軽く考えていたのですが、さすがは国際大会。
ボランティアとはいえ、一年前から準備が始まり、合計で5、6回の研修があったでしょうか。
この研修だけとっても「こうやって大会というのは準備されていくんだ」ととても勉強になります。
ただし、一年前の段階では実際にどんな活動をするのかは決まっていません。
私の担当は「メディアサポート」
開催の半年くらい前になってようやく希望のロール(役割)を聞かれます。
この時、希望のロール意外にも参加可能日数や深夜早朝の活動可否、語学スキルなどについても尋ねられます。
そこで私は他の言語はともかく「英語についてはまったく問題ない」と答えておきました。
(実際にはかなりあやしい部分もありますが笑)
それらプロセスを経て私に割り当てられたロールは「メディアサポート」でした。
世界各国から来るライターやフォトグラファー、放送関係の方々の対応です。
試合会場内に設置されたメディアワークルームが主な活動場所で、総勢30名弱がいくつかのグループに分かれて活動します。
そこでは
「記者席にはどう行くの?」
「Wi-Fiのつなぎ方は?」
「駐車場のチケットが欲しい」
「記者会見はいつから」
「テクニカルスタッフを呼んで欲しい」
などあらゆる質問・依頼が寄せられます。中には
「美味しいお刺身が食べられるお店を教えて」
なんてものもありました。
また大会期間中に話題となった”ランチパック”の補充も行いました。
これらに対して当日朝に「はじめまして」と声を掛け合ったボランティア仲間で対応するわけですからかなり”チームワーク”が求められます。
試合前日、そして試合当日
試合前日には会場見学があり、競技場の中を案内してもらいました。
メディア関係者から「トイレはどこ?」と聞かれて答えられないようだとボランティアとして失格です。
ですから一生懸命頭に叩き込みます。
その際にオーストラリア代表のロッカールームに入る機会がありました。
これはもうボランティアの特権ですね。
そして当然といえば当然ですが、公平であることが重要ですので両チームとも全てが同じ作りになっており、同じアイテムが同じ数だけあるとのことでした。
またボランティアの仕事は日によって変わります。
「ボランティアにはいろいろな仕事をやって欲しい」という運営側の配慮からローテーションが組まれており、試合の当日、私はフォトグラファーのサポートでした。
ご存知のとおりフォトグラファーはインゴールの後ろでシャッターチャンスを狙っています。
そのサポートというわけですから試合中、私はピッチ上(正確にはピッチの端っこ)で選手やレフリーと同じ目線でまさしく肉弾戦を堪能することが出来ました。
試合の途中、ボールを持った選手が鬼の形相でインゴールに向かって走って来たときは踵を返して逃げようかと思いましたが。笑
ちなみにフォトグラファーの席は試合開始前にくじ引きで決められ、試合中の席の移動は不可です。立ち上がることもダメでした。
歩いて撮影できるフォトグラファーは特別にその権限が与えられており、ビブスの色で見分けがつく仕組みになっています。
オフィシャルスポンサーについて
またオフィシャルスポンサーの権利は厳格に守られます。
今大会については、ビールはハイネケン、ソフトドリンクはサントリーでした。
ですから、ボランティアが持参できる飲み物も例えばお茶であればサントリーの伊右衛門はOK、伊藤園のお〜いお茶はNGとなっていました。
さらに競技場内の他のメーカーの広告やポスターなども全て非表示になっており、当然といえば当然ですが、かなり徹底されている印象です。
この他にもいろいろありますが、長くなるのでこれくらいにして、最後にリスペクトについて。
一生に一度の経験
大会期間中、”リスペクト”という言葉を何度も耳にしたと思いますが、ボランティアに対するリスペクトもとても感じました。
これは言葉ではうまく表現出来ないのですが、単に「補助的作業員」なんてものではないですね。
仕事をする上での仲間であり、場合によってはそれ以上の存在です。
ステイタスという意味ではおそらく大会関係者と同等ではないでしょうか。
もし大会関係者が不在の場合、その場での最高意思決定者はボランティアであり、彼らが下した判断や指示は絶対です。それに従わないという選択肢はありません。
それが仮に間違った判断や指示であったとしても。
そして我々がボランティアとしての一日の任務を終えてメディアワークルームを後にする時、残っていたメディア関係者の方々が拍手で送り出してくれたのを今でも覚えています。
日々、我々の多くは自宅と職場の往復でなかなか新しい価値観に触れる機会がありません。
ただ、今回ボランティアを行った数日間はとても有意義な時間であり、まさに”一生に一度”の経験をさせて貰いました。
なお、ボランティアで貸与された衣類やグッズにつていては全てにシリアルナンバーが入っており、大会終了と同時に使用者に記念品として譲渡されるかたちになっています。
ですからこれらグッズと思い出は私にとって一生の宝物になったと言っても過言ではありません。
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