
先日、燃え殻さんが書かれた「ボクたちはみんな大人になれなかった」を読みました!
まだまだコロナ禍ということもあり、在宅の時間が多いと思います。そんな在宅時間を有効に使って、たまには読書でも如何ですか?
ということで、今回は燃え殻さんが書かれた「ボクたちはみんな大人になれなかった」のご紹介です。
燃え殻さんとは
1973年、横浜市出身。
都内のテレビ美術制作会社で企画デザインや人事を担当。
2017年、ウェブサイトでの連載をまとめた本作で小説デビュー。
日報代わりに始めたTwitterは、21万人のフォロワーがいる。
あらすじ
1990年代。バブルがはじけ、デフレ経済に突入。
その後、日本は「失われた20年」と言われた暗い時代を迎える。
そんなタイミングで高校を卒業し、やる気のないまま、なんとなく広告の専門学校に入学。
入学当初は補助席も出さないと座れない教室だったが、夏があけると一気に生徒も減った。
卒業を控えても広告企業からの求人はなく、エクレア製造会社にこれまたなんとなく就職する。
そこで出会ったブラジル人従業員と唯一の日本人七瀬。
不思議な職場はそれだけではなかった。職場にはなぜかアルバイト求人誌がいつも置いてあった。
そしてその求人雑誌になぜか文通コーナーが掲載されており、そこから恋人となる人を見つける。
そんな思いつきばかりの気ままな毎日を過ごす。
ある日、時給が20円高いバイトを見つけ、応募。面接当日、その場で採用が決まり、広告会社に転職。
といっても設立間もないその企業は腹黒いメディア業界の片隅で細々と落ちている仕事を拾って生きている。そんな感じだった。
社員は社長と同期入社で金髪の関口と自分。
時に大きな力につぶされそうになりながら懸命に生きる。
そんな時、昔の同僚七瀬に新宿のゴールデン街でばったり出くわす。
彼はなぜか女装し、バーという名の居酒屋を経営していた。
再開を喜び、旧交を温めるがいつの間にか主人公の前から七瀬は姿を消す。
そんなドタバタと過ぎる時間の中で主人公の目に映る社会とは。
感想
「ん?なんだ?」
この本の第一印象がこれだった。
今まで聞いたことのない作家。
今年の「新潮文庫の100冊」に選ばれたというだけで手にした本。
(新潮文庫の100冊をどこまで読めるか一人チャレンジを行っている)
期待値ゼロで読み始めたら・・・
面白い!!!
冒頭の「ん?なんだ?」から始まり、「何これ?!」を経由して「やばいっ!!!」に変わるまでほとんど時間を要することはなかった。
とても小説家でない人が書いたとは思えない。
(今ではこの本を出版しているので小説家を名乗っているが、もとは美術制作企画の方)
ストーリーは自身の体験談をもとに構成されていると思われる。
それだけに作為的なもの、人工的なものを感じさせない。
自然体で日常的でそれでいて平べったくなく、立体感のある物語になっていて、これは面白い!
まとめ
ペンネームの「燃え殻」というのも「燃えかす」でもなければ「抜け殻」でもなく、何とも言えない味わいがある。
この本には若者の不安と期待と夢と希望と失望と絶望と挫折と酒と女とお金と・・・そんな諸々がぎゅうぎゅうに詰め込まれており、それらをとてもうまく表現している。
そんな不合理な社会を主人公は強く生きていく。とても勇気付けられる一冊。
ところでこの本の中で「フリッパーズ・ギター」というアーティスト名が出てくる。
1989年にデビューしたバンドである。
このバンドのボーカル、ギターが小山田圭吾氏であるが、実は小山田氏は東京オリンピックの開会式の作曲担当だった。
しかし、自身の過去の行為が波紋を読んで開幕直前に辞任した。
全くの偶然であるが、この本を読んでいる最中の出来事だった。
フリッパーズ・ギターも小山田氏も超メジャーというわけではない。
それが自分の中で脚光を浴びる。
こういう不思議なことが起こるのが読書でもある。
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