今回は私がワインの世界へ足を踏み入れた経緯をご紹介します。
数年前、ある会合があり、週末の夕方に都内の会場に私はいました。仕事とは全く関係のない会合で知り合いはただの一人もいませんでした。普段なら参加しなかったのかもしれませんがどうしたことかその回はたまたま参加で回答していました。
会合が終わると今度は親睦会という名の立食パーティーが続いて予定されていました。
会合だけ参加して親睦会は不参加とすることも出来たのですが、小腹が空いていたこともあり、そのまま残って親睦会に参加しました。
アルコールも入り、時間の経過とともに賑わいを増していく中、私はあまり人脈を広げる気もせず、黙々と一人で食べて飲んでいました。
たまたまルームの片隅で立ち食いをしている時に、二人のご老人が私の前に立って何やら話を始めました。二人は旧知の仲らしく、「おお!久しぶり」というわけでもなく、むしろ「先日お話した件ですが・・・」という感じで話し込んでいました。
その会話を聞くでもなく、流しつつ耳に入るままに聞いていると、そのうちのひとりのご老人が不意に「〇〇高校で・・・」という言葉を口にし、その言葉がほろ酔いの私の耳をダンボにしました。
なぜならそれは私の出身高校だったからです。
いま振り返ってみても不思議なのですが、私はとっさに「それ、私の出身校!」といきなり会話に割り込んでいました。
するとご老人お二人もびっくりした様子で私を眺め、「何回生?」と聞いて来たのですが、そんなことには全く興味のない私は自分が何回生か分からず「〇年卒業です」とだけ伝えました。
ただ、ご老人のお二人から見たら息子より孫に近い後輩の私に興味を覚えたらしく、その後話の輪に加えて頂きました。しかし、すでにパーティーはいわゆる「宴もたけなわではございますが」という時間帯でひとまず名刺の交換をしてその日は別れました。
その後、また仕事に忙殺される世界に舞い戻り、そんな出会いがあったことなんかすっかり忘れていたのですが、ある日会社に達筆な墨で書かれた分厚い封書が届きました。裏を見ると先日お会いしたご老人の名前が記載されています。
中を開けてみるとこれまた達筆な字で・・・
私は長い間、ワインの世界で生きて来た。
私の人生はワインが紡いでくれた。
定年後もワインの縁は切れず、今ではワインの会を主宰している。
3ヶ月に一度都内で例会(ワインの会)を開催している。
私のコレクターをそのままにしておいても飲みきれないので楽しい仲間でシェアしている。
ついては君も来なさい。
と。
あまりの達筆さに詳細まで読み取れないのですが、書いてあることはどうやらこういうことのようです。
そして最後に・・・
ついては君も来なさい、と。
優雅なクラシック音楽が流れる文体の中に最後の一文はハードロックを彷彿とされるシャウトのようにガツンとひと言、
「ついては君も来なさい。」
で結ばれていました。
ワインの会?
コレクター?
どういうこと?
手紙を読んだ後の私の感想はそんな感じでした。
また当時若造の私にはワインの世界は全く未知の世界であり、ここは丁重な言葉を並べて断るべきかと思ったのは言うまでもありません。
しかし、断らなかったことからこそ、いま私はワインの世界の住人になれたことは言うまでもありません。
ではどうなったのか・・・後篇に続きます。
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